失敗体験があるから、成功の反動は大きい。
夕飯前に、子どもと自主練をした。
わたしの目的は「ゴロの捕球姿勢を整える」ということだった。
ひとつ伏線があって、従兄弟の野球チームが、大会で8-9で負けたということを話した。
エラーが続発して、自滅したのだ。
それまでは、子供たちがやりたい練習を尊重して、攻撃中心の練習だったらしい。
その試合以降、子供たちが「守備は大事だよね」と考え、守備練習が増えたそうな。
どんなチームでも、守備力が高い子からスタメンになる。
野球は守備の方が重要だからだ。
その話が効いたのか、ゴロ捕球を軽くやろうと伝えたら、イイネとなった。
息子が外に出ると、娘も一緒に出てくる。
よっぽど楽しい事があると思うのだろうな。
息子のゴロの捕球姿勢が良かったので、褒めたら調子に乗ってきた。
さらに褒めたら、なおさら上機嫌だ。
もっと褒めたら、ノリノリになった。
娘も褒めたら、もっとやるとなった。
ショートバウンドの取り方まで積極的になり、終いには自分が納得いくまで続けていた。
息子の成長の跡を感じた。
始めた頃に同じゴロを転がして、捕ったら褒めていた。
その頃は褒めても、すぐに飽きていた。
最初にイキナリ上手くできる人はほぼいない。
今の息子は失敗体験を持っているからこそ、上手くできた時の喜びも大きく感じている。
ゴロ捕球の形が良くなっていることもそうだし、ショートバウンドをキレイに捕れるということも。
グラウンドで取れなかったことがあるから、今、捕れる体験を得た喜びがあるのだろう。
自分が上手くいったときの喜びを感じながら、わたしに褒められるオマケもついている。
「人は褒めた方が伸びる」という言葉を聞いた事がある。
上手くできると気持ちいいし、褒められるともっとやりたくなるものだ。
上手くできない
というストレスや挫折があるからこそ、乗り越えた時の快感も相まって、より効果があると思う。
何の変哲もない、野球を教わってない子でも捕れるゴロの練習。
ちょっと練習すればグラブに入るくらいのショートバウンド。
大きな曲線を描くトリガーになりそうだ。