スイッチを入れるツールがある。
毎朝、ほぼ欠かさずにコーヒーを買う。
それを半日近くかけて飲んでいる。
わたしはコーヒーが好きだ。
特に、淹れた時の香りが好きだ。
と言いながら、豆の種類で嗅ぎ分けられるような、繊細な嗅覚を持ち合わせてはいない。
その匂いが好きなだけの人である。
コーヒーは不思議だ。
淹れたてのコーヒーが近くにあれば、コーヒーというものを知っている人であれば、それと気付く。影響力を持った匂いを発している。
しかし、今日気づいた事がある。
コーヒーを自宅で淹れた。
インスタントながらも、紙パックをカップに取り付けてお湯で落とすタイプのコーヒーだ。
落とす時、コーヒーの香りが立ち込めてきて、嗅覚の全てで受け止めるようだった。
カップにコーヒーが満たされた後、
黒を纏いながらも、光を受けて透けるようなゆらぎを起こして、その匂いを嗅いでみる。
すると、コーヒーの匂いがしない。
ひとくち飲んでみても、コーヒーの感触が薄い。
例の感染症で味覚が奪われた訳ではない。
コーヒーを落とす時だ。
煎られた豆を蒸らす。
お湯をゆっくり注ぐ、まさにその時。
そこが、最も香りを楽しめる時だったようだ。
香りの1番濃いところ、鼻の奥深く、味覚まで届くほど、コーヒーで満たされる、強い香り。
先にそれを楽しんでしまうと、飲む時には無味無臭と思うくらい、香りと味のインパクトが無い。
今まで、色合いと鼻の奥の残り香で味わった気になっていた。
雰囲気で飲んでいたようだ。
わたしにとっては、人に淹れてもらったものを飲む方が香りと味が楽しめる。
ということがわかった。
誰も共感しないだろうけど、
車の中に淹れたてのコーヒーを放置しておいて、いったん外に出る。
10分後くらいにまた車に戻る。
そうすると車内がコーヒーで満ちていて、落ち着く。味も楽しめて良い。
土日に野球がある時は、コーヒーは飲まないようにしている。
コーヒーには利尿作用がある。
飲み始めて2時間もすると、トイレに行きたくなってしまう。
コーチング、もしくは試合の時に阻害する要因は排除している。
・・・なんだか、プロみたいな話だ。
心を整える。落ち着くスイッチになる。
そのひとつに、コーヒーがある。
わたしは1日、2杯までにしている。