4連休の間、少年野球がある。
寝る間際に息子が言った。
「明日、野球かー」と。
僕としては、聞き捨てならない言葉だった。
野球に行きたくないのかを聞いてみた。
するとやはり、試合だと午後まで野球だから、行きたくないらしい。
行きたくない理由は、試合だからだった。
息子は低学年で、公式戦は出場機会がない。
ベンチにいるのは、低学年にはまあまあの苦行かも知れない。
試合に出たら、楽しいのだ。
つまりは、自分が体を動かして野球がしたいのだ。
そうするには、試合に出るように上手くなるのが一つの手段だな、という話になる。
そこで質問してみた。
「野球が上手いって、どういう事だろう」
息子は、うーんと考えた。
なかなか答えは出ない。
質問を変えてみた。
「野球が上手い人って、どんな人だろう」
息子は、またまた考えた。
なかなか答えは出ない。
「一人だけ答えてとも言ってないし、上手いと思う人なら誰でも良い。いま、答えが出ないのは誰も思い浮かばないからなのか、何人か思い浮かんで一人に絞るのが難しいのか、どっち?」
すると息子は、何人か思い浮かんだ中から絞れないとのこと。
思い浮かんだ人を全員言ってもらう事にした。
「坂本、柳田、グラシアル、大谷、イチロー、源田」
これが、今の彼が思う野球の上手い人だ。
質問したとはいえ、息子の口から野球選手の名前が出てくることが、実に興味深い。
では、この選手たちはどこがどう上手いのか。
プロ野球選手は、基本的に上手いのだけど、その中で特徴がある。
掛布なら流し打ちとか、川相ならバントとか、川藤なら代打とか、中畑なら絶好調とか、そういう代名詞的特徴だ。
一通り、息子に聞いてみた。
息子の野球が上手いとはどういうことなのか、その核心に少しでも触れてみたかった。
結果、今はまだ上手いとはどういう事なのかはよくわかっていない。
柳田やグラシアルはバッティングが凄いとか、坂本や源田はゴールデングラブを取っていて守備が上手いとか、大谷は投げたら豪速球で、打ったら松井よりホームラン打てるとか。
そういう事は理解している。
凄いと言われていることは凄いと思うようだ。
息子たち低学年が野球で練習している事は、自分自身が「もっとこういった(具体的な)プレーがしたい」と思った時に、その基本になるように仕込んでいるのだと伝えた。
具体的なイメージが湧いた時に、飛躍的に伸びる土台づくりをしているのだと。
という前提があり「野球が上手いってどういう事だろう」という質問に戻る。
まずは、自分が試合で見た選手で「この人がこういう事が出来て上手い」ということを、僕に伝えてもらう事にしてみた。
見て上手いなと思った事を、練習でやってみよう、という事になった。
そうする事で、試合を観る意義も上がる。
試合をベンチから応援する、観る姿勢が変わると、飛躍的に上手くなる。
ようやく、息子はその一歩を踏み出したかも知れない。